「問答はここまでだ…
全ての駒は揃い、機は熟した…
今宵、計画を実行する」

踵を返し背中を向け、ヘリへと男は歩を進める。

「待て!
話はまだ終わってないぞ!」

「もはや、貴様と語る舌を持たん…
貴様は、私にとって過去の遺物、なんら必要のないものだ…
【そこでじっとしていろ、貫】」

「っ?!くっ足が…
《強制言語(ザ・ワード)》か!?
………くぅっ!」

動こうとするも、身体が全く言うことを聞かない。

貫の身体は前に傾き、立った状態で固まったまま、地面に倒れ込む。

「っ!」

その姿を、驚きの表情で響子は見ていた。

「計画の決行は今夜7時だ…
楽しみにしていろ、この時を境に…世界は生まれ変わる!」

黒の男…黛一輝はそう言い残し、ヘリに乗り飛び去った。

その場に残された四人は、しばらく身動きが取れなかったが、10分程したら、身体を自由に動かせるようになった。

「とりあえず、色々と聞きたいことがある…
一緒に来て貰うぞ」

亮と貫に響子はそう言い、車を戻し四人はそれに乗り、その場を後にした。