「いきなりなんだ?
アンタとは初対面…だよな?」

身長は低めだがガッチリした体格の背広姿の男に、亮は問い掛ける。

「俺の狙いは…」

「!」

続きを言う代わりに、少女の方を見る男。

「貴様には銃が通用しないらしいからな…
だから、俺が呼ばれた」

「なるほどね…
さっきの不意打ちといい…アンタかなりやるな」

「武とは元来卑怯なもの…
確実を期す為に不意を突かせて貰ったのだが…まさか躱すだけではなく反撃までしてくるとはな」

「ヘッ、間違いなくアンタは達人クラスだが…
俺の敵じゃないぜ?」

ほんの僅かな先程の攻防で実力差を見抜いた亮、そしてそれは、相手の男も同じのようだ。

「確かに…勝てんだろうな
俺一人なら」

「なに?」

ザッ!ザッ!

と、新たにどこからか降って現れた二人の男。

一人は…亮以上の身長と体格の持ち主で、パッと見ただけで、そのパワーが伝わって来る。

もう一人は…かなり小柄で、体格もよくはない、が、ただ佇んでいるだけなのに、ただ者ではないとわかる位、三人の中で最も危険な空気を纏っている。

「もう一度言おう…
武とは、卑怯なものだ
戦とは、勝てなければ意味がない…
そのため、このような手段も用いることもある…」

亮を中心に、三角形の形に陣形を組む三人。

「3対1…か、上等っ!」 

明らかに戦闘モードにシフトする四人、彼らの間の空気が、緊迫感でピリピリと張り詰めていく。