………

「ん…んん……」

ユサユサと身体を揺すられ、男は目を覚ます。

「ん…ん?」

「…おはよう」

「ん〜…おはよう…んん?!
な、なんで女が?!
…あ、そうか」

男は寝ぼけた頭で、昨日の出来事を思い出す。

「………ん?」

クンクンと鼻を鳴らす。

爽やかな朝に、漂う、何やら美味そうな香り。

「…なぁヒメ
もしかして…」

「あ、朝ご飯…作ってみた」

「おお!すげぇ!
料理できんのか!?」

「ネットで知識だけは…
作ったのは初めて」

少女が作った朝食のメニューは…

カリカリに焼いたトースト。
目玉焼き。
手製のバター。
手でちぎっただけのサラダと特製ドレッシング。

というラインナップだ。

「初めて作ったから美味しいかどうかわからないけど…」

「いやいや!凄ぇよ!
早く食おう!」

待ち切れないといった様子で素早く椅子に着き、少女を急かす。

「「いただきます」」

ガツガツと、凄い勢いで食べる男。

「………どう?」

少女の問いに…

「………うめぇっ!」

バッ!と顔を上げ、男は返事をする。

「…そ、そう
………♪」

嬉しそうに、自分もカリッとトーストをかじる。

この時から二人の間で、少女が食事担当になった。