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「ご飯できた…です」
「おお、待ち兼ねたぜ!」
少女がテーブルの上に料理を並べる。
白飯。
味噌汁。
ロールキャベツ。
里芋の煮っころがし。
細切り大根とカリカリベーコンのサラダ。
素朴だが、なかなかに豪勢な品揃え。
「「いただきます」」
合掌し、二人声を揃える。
「今日はロールキャベツに挑戦した…です
どうですか?」
「うめぇっ!」
パクパクパクと、一心不乱に食べる男。
「ングングング…
おかわりっ!」
「はいはい」
空になった茶碗に新しくご飯をよそう少女。
「うめぇっ!
………
おかわりっ!」
「はいはい」
削岩機のように食べ散らかす男。
ほんの数分と経たずに、全ての皿が空になる。
少女は小食で、だいたいいつも、二人が食べ終わるタイミングは同じだった。
食後で重くなった身体を横たえ、二人はまったりとくつろぐ。
男が少女を連れ出してから、三日の時が経っていた。
ここは男の自宅のマンション、あれ以来、少女は男とここで暮らしていた。
「………」
ゴロリと、猫のように丸まり横になる少女を、男はぼんやりと眺める。
今でこそ、新たな生活に順応している少女。
だが、世間知らずな少女がこうやって落ち着くまで、いくつか騒動もあった。
「………」
この三日間の出来事を、男は思い返していた…。
………………
………