だが、そう簡単な話でないことは、ちょっと考えれば、誰にでもわかることだ。

人間の記憶容量には限界がある、そう都合よく様々な事象をほいほいと暗記するのは不可能だ。

更に記憶の場合、覚える知識を選択する必要性も出て来る。

何十桁もの数同士の掛け算等、覚えるのに苦労する割に、使い所はない。

だからこそ学校では、応用の効く計算の基本、九×九を教えるのだろう。

記憶とは曖昧なもので、頻繁に使われない情報は、情報の海の奥へと追いやられ、いずれは忘れ去られてしまう。

“記憶”では心もとない…。

だからこその“記録”なのだ。

一度記録された情報は、記録した媒体が失われない限り、絶対に失われることはない。

一度でも体験し、情報として記録したものを、決して失わない能力…。

それが《絶対記録(パーフェクトアルバム)》の能力だ。

暗記する際の労力が必要なく、更には、一度覚えたことは絶対に忘れない。

後は、時間をかけて様々な情報を頭に積み込めば、いずれはコンピューターをも上回る処理能力を得ることも決して夢ではない筈だ。