最初は、手探りの状態から始めなければいけない為、当然失敗も多い。
積み上げられていく、失敗作という名の死体の山。
どれだけの死体を積み上げても、ヒトゲノムという、遥か高い頂には、容易には届かない…。
膨大な数の実験を繰り返し、多くの犠牲を払って尚、ヒトゲノムを完全に理解すること叶わない。
ただ、失敗という失敗の連続の中で、ごくたまに起こる例外。
明らかに人間の領域を越えた能力を持つ者達が、少しずつだが生まれ始めた。
偶然かもしれない僅かの例外に歓喜するのもつかの間。
研究者達は貪欲に、次なる領域を求め始める。
それが、特殊技能保持者の生産だ。
特殊技能とは…ESP能力等に代表される、文字通り、通常の人間が持ち合わせていない、特殊な能力のことだ。
仮に、人としての能力値、つまりは身体能力や知能指数が低くても、人にはない特殊な能力を持っていれば、それは、優秀な人材であると言っても差し支えはないだろう。
例えば…、ミートE・パワーEといった駄目バッターでも、アベレージヒッターや、チャンス◎といった特殊能力がついていれば、能力値以上の活躍をしてくれるものだ。
この例えがよくわからなかった人は、近くの野球ゲーム好きの人にでも聞いて欲しい。