入って来た男は、身長180以上、体格は肉付きが良く、ムキムキとした筋肉質。
スポーツ刈りのような黒の短髪、顔付きはゴツカッコイイといった感じの男前、上半身は黒のランニングシャツのみで、下半身は迷彩の長ズボンだ。
とにかく、存在が力強い男で、その強烈な存在感は、ただ歩いているだけで、店内の客の視線を全て集めていた。
「わりーわりー遅くなったな」
その見た目とは相反して、軽い感じの口調で、小柄な男の向かいに座る。
「………ハァ
まぁいいです、が
僕も暇ではないですから、早速仕事の話をしましょう」
遅刻に対して文句の一つでも言ってやろうと思っていたが、男の屈託のない笑顔を見ていたら、どうでもよくなってしまった。
「一応確認しておきますが…
最近評判の荒事請負人、大塚亮…
貴方で間違いないですね?」
ウェイトレスがテーブル上に水を一つ追加する。
「周りの評判なんて知らねぇが…
確かに、そいつは俺の名前だな…」
出て来た水を一気に煽り、男が答える。
「じゃあ…今度はこっちが聞く番だ
アンタが…」
「はい、電話で依頼させて頂いた
堀田貫です」