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そこは、生活していくのに最低限必要な物しか置かれていない、とてもシンプルな部屋だった。

あるのは…ベットとシャワールーム、小さなテーブルと椅子、そしてこの部屋には不似合いな、最新型のパソコンと、備え付けの監視カメラが数台。

窓なんてない、この部屋と外を繋ぐものは、内側からは決して開けられない、一つの扉だけだ…。

食事は定時に提供される為、キッチンや食器は必要ない。

着替えもない、定期的に渡されるからだ。

この、おおよそ人が住むべき環境ではない部屋の住人は、たった一人の少女だった。

真っ白い雪のような長い髪と、くりくりとつぶらな赤い瞳。

凹凸のない肉体は、正に少女のソレであり、感情の色が浮かばない彼女のその顔立ちは、あまりにも整い過ぎていて…。

まるで…人形のようだった…。

部屋にあるパソコンは、彼女を教育し、彼女の能力を引き上げる為の道具。

彼女に許される行為は、このパソコンを触ることだけだった。