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「このまま、君が何もせずに死んでしまっては、君の友人は、まさしく犬死…ということになるぞ?」

鋼鉄の室内、男は桃色の少女に語りかける。

「誰だか知らないけど、アンタに…私のなにがわかる!」

「ホ、やっと反応したか」

目を大きく開き、男はおどけた口調で茶化す。

「わからんさ、君の気持ち等な…
だがな、私は、君が進むべき道なら知っている」

「………道?」

「そうだ、原因はどうあれ手に入れた能力を利用しろ
今の君なら、ここから逃げ出すことも可能だ
この、人の血通わぬ冷たい工場から、な」

「………そんなこと、したって…」

「意味はない…か?
クツクツクツ
そんなことはない、君は外の世界を見たことがあるのか?
体験したことはあるのか?ないだろう?
今まで限られていた空間から出ることは、恐ろしく意味がある行為だ」

男は扉を叩き開く。

「その目で見て、その肌で感じてみろ
それからでも遅くはないさ
意味があるかないか、判断するのは、な」