「ロ、ロリッ!
…て、訂正して下さい!」

「まぁまぁ…
小五とロリを足したら“悟り”になるわけだし…
アンタは悟っちまっただけさ…何かをな、気にすんなよ」

「意味不明ですよ!?
というかどこの国の人ですか!?」

「………クス」

珍しく慌てる男と、ようやくしてやったり、というスペックを見比べ、少女は軽く微笑んだ。

「………っ!
タカさん!アレ!」

「えっ?
…!ア、アレは…」

少女が発見したものは、空を飛ぶ三つの機影。

最新最強の大国軍が誇る、ジェット戦闘機“トム・キャット”だった。

それらが、空を飛んでいた。

この、戦争中という特殊な状況下で、偶然通り掛かった等有り得ない。

「………あの方角は…」

「私達の…基地…」

そう、一ヶ月に渡り攻め続け、尚も落とすことができない独立軍第2前線基地は、大国にとっては、目障りで仕方ない存在だった。

そこで遂に大国は、戦闘機からの絨毯爆撃による無差別攻撃という、非人道的手段の行使に踏み切ったのだ…。

「アレは…マズイ!
とにかく急ぎましょう!」

「うん」
「ああ!」

基地の、そして基地のメンバーを案じて、三人はジープを走らせる。

しかし…辿り着いたところで、どうしようもないことは、三人共痛い程わかっていた。

それでも、彼らは急ぐ。

仮に彼らが基地に着く頃には、既に、全てが終わっていたとしても…。