「「………」」

ほんの数瞬5人は無言で見合った後、弾かれたように散開し、皆何かの物影に身を隠した。

今まで、苦楽を共にして来た同じ小隊の仲間、殺し合うことに抵抗がない筈はない。

ただ、小さい頃から…物心ついた時から、刷り込まれて来た戦闘本能が、戦闘知識が、戦闘技術が、そんな甘えた感情を許さない。

例え誰が相手であろうと…敵と見なした瞬間、殺す。

そこに、何の感情も入る余地はない。

それが、彼らの全てだったから。

息を潜め、“敵”だらけの密林を警戒しながら、索敵を行う。

鍛え抜かれた技術を持ってしても、容易に発見すること敵わない。

なぜなら、皆本気だったから。

本気で殺し合いをしていたから。