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「首尾はどうだね?」
どこまでも低く、どこまでも深い声で、突然部屋に入って来た日本人の男はそう言った。
「これは所長!お久しぶりです
首尾は上々ですよ
どれも予想を上回る数値を出しています
現状で既に、兵士としてどこに出しても恥ずかしくないデキですよ」
答えた男はここの所員、そこそこの地位についている男だ。
ここはデータを管理する部屋、当然、訓練生達…製品には立ち入ることの出来ない部屋。
幾つものモニターが、壁一面に設置されており、監視部屋としての役割も果たしている。
「クツクツクツ
そうかそうか…結構、実に結構」
くぐもった低い笑い声を上げながら、男はウンウンと頷く。
「映像が見たい
あるかな?」
「はい、調度今訓練中の小隊が何隊か…
…映像、出します」
幾つかのモニターに映像が出る、そこに映ったものは、年端もいかない少年少女が、黙々と訓練をしている姿。
中には“人を殺すという”体験をさせておく為に、捕虜の兵士を敷地内で放ち、それを狩る…といった訓練をしている隊もいる。
「…フム、なるほど…悪くない
悪くはない、な」