命令を受け、敬礼と共に意気揚々と駆け出す兵隊達。

勢いづく大国の軍だが、このソンクソン司令の判断は、明らかに間違っているものだった。

そして、大国の弱点は、正に“ここ”にある。

圧倒的な性能差の兵器を持つという“驕り”。

その兵器を用い、何の工夫もせずに今まで勝ててきたという“驕り”。

その“驕り”が兵を堕落させ、兵の質を落とし、軍隊を、烏合の衆と為した。

今の大国の軍隊には、決定的に危機感知能力が欠けている。

戦場にいながら平和ボケしていると言っていいだろう。

斥候から連絡が来ないという異常事態から、その先を想像できなかったのだから…。

戦とは、二手三手先を読むもの。

先の展開を想像できない大国軍は、多少の苦戦は考えても、敗北という可能性は全く考えていない。

勝利を確信する大国軍だが、その実、勝利の二文字は程遠いものだろう。

数にしておよそ、独立軍の数10倍の大国軍が、基地に向かって動き出した。