「…何かご用ですか?」
「ご用ですか…か
へっ、お上品なことで
チッ…ますますだな
俺ぁよ、率直に言ってオメェらが気に入らねぇ」
男性の胸に人差し指を押し付けながら言うスペック。
「戦場は兵士のいる場所だ…
オメェらみてぇなふざけた奴らが居ていいところじゃねぇんだよ!」
「………私は一度もふざけた覚えはないのですが」
「そういうところがふざけてるってんだよ!」
声を荒らげ、胸倉を掴むスペック。
「ふぅ、学習しませんね、貴方は」
スペックの腕を掴む男。
「おっと、やる気かい?」
腰元にあるナイフに左手を添えるスペック。
「抜きますか?
きっと後悔しますよ?」
「へっ…どっちがだい?」
スペックがナイフを抜き放とうとした瞬間…
「ストップ」
少女がスペックの左手を制す。
「邪魔すんなよ、嬢ちゃん」
「わからないの?
そんなことしてる場合じゃない…敵が…来た」
「なにっ!?」
「………私には何も感じられませんが?」
「来てるよ、正面から大勢で…
迎撃準備!
遊んでないで、寝てる人達起こして来て」
「チッ、ガキが俺に指図するたぁ…」
「早く!」
「………チッ!
違ったらタダじゃおかねぇぞ、ガキィ!」
見張り台から走り下りるスペック。
「…本当なんですか?」
「本当
ヤバイ位来てる
普通の人にはわからなくても…私にはわかる」