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「諸君、よく来てくれた!
自分はミゲル・バルド
この基地を任されている
一応、君達のコマンダーというわけだ…よろしく」
短くスポーティーな金髪に鍛え上げられた鋼の肉体、更に長身とが加わって、実に軍人らしい男だ。
「君達の主な任務は、ここの防衛…
戦況によっては、敵基地に討って出ることも頭に入れておいて欲しい」
彼が話している相手は傭兵、勝ち目のない負け戦にも関わらず、入隊を志願してきたバカヤロウ達。
数にして20人程、最新最強の装備で武装した大国の軍に対するには、それだけの戦力が増えたところで、焼け石に水である。
だが、彼らの目に…顔に…絶望や諦めの色はなかった。
むしろ皆一様にキラキラと、期待や希望に満ちていた。
各々理由は違えど、皆何かを求めて、ここへ来たのだろう。
ある者は独立の意志に呼応して…
ある者は僅かな賃金の為に…
またある者は、純粋に戦場を求めて…。
自分が納得し得る“何か”があるから、兵士達はこの戦場へと集ったのだろう。