「ウィ〜ッヒヒヒヒ!
ヒヒ………ハッ!
ソイッ!」
パリンッ!
笑い転げていた亮であったが、刺さる四つの殺気に気付き、窓をブチ破って飛び下り逃走した。
「アハハハハ!
駄目だ…お、面白過ぎる…」
亮のような鋭い野性の勘を持ち合わせていない貫は、まだ呑気に笑い転げていた…。
「アハハ……ヘ?」
大笑いをする貫の背中が、突如感じた柔らかな二つの感触。
貫は、後ろから美柑に羽交い締めにされていた。
「ナイスだみかん、逃がすなよ」
「へ?ひ、ヒィェェ〜!」
ようやく状況を理解した貫が、悲鳴を上げる。
「堀田君…ご愁傷様です」
「いつまでも馬鹿みたいに笑ってるからです
この鈍チン」
「とりあえず…エイキチみたいに眼球に煙草押し付けてみるか?」
「ひっ!や、やめ…
つか、確かエイキチはそんなことされてない筈…
ウ………
ギイィャアァァァァ!!」
鳴り響く貫の悲鳴…、その時、窓から風が入り、手紙が床に落ちた。
“今は、二郎君が絵を描いているのを、私は自分で作ったケーキを食べながら、それを眺める…
そんな、私達に合った穏やかで、幸せな毎日を過ごしています。
二人で買って育てたハーブの、ハーブティーを飲みながら…”
TO BE NEXT →『雪の小さな大冒険』