「これですか?」

「…他にあるか?」

「それもそうですね」

先程破いていた途中の包みの包装を解く堀田。

中から出て来た絵は…

「ん?」
「おやおや」
「え?なにコレ?」
「…シュールです」

なんとも形容し難いタッチで、四人の姿が描かれていた…。

「なんか…グチャグチャした絵だねぇ」

「いやいや、これが芸術なのさ
シュールレアリズムというやつだよ
継続は力なり…か、あのお坊ちゃん、才能はなさそうだったのにな」

「ピ〇ソに影響を受けているようですね…」

「………なるほど、この絵をいきなり初デートで見せられたら…
確かに怒りますね」

クスクスと、口を抑えながら匠が笑う。

「ま、ありがたく頂いとくか…
………ん?」

響子がチラリと見た先には、プルプルと震える亮と貫の姿があった。

「どうした?おまえ達」

「どうしたも何も………
プーーー!ギャハハハハ!
駄目だ!我慢できねぇ!」

「すいません…あまりにもあんまりなんで…プ、アハハハ!
笑いが止まらない…」

なんともシュールなタッチで描かれた四人の姿が、二人のツボにハマったらしく、なかなか笑いが治まらない二人。

腹を抑えながら床を転がり、バンバンと床を叩きながら笑う。

そんな二人を無言で見つめる四人の顔には…

「…………(怒)」
「…………(怒)」
「…………(怒です)」
「…………(怒)」

ハッキリと確かに、怒りの表情が浮かんでいた。