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「オォー〜ホホホホッ!
マァ〜ベラス!
よ〜〜〜やく、ようやくこの椅子に座ることが出来ましたわね…」
吉村カンパニー社長室で、吉村淳美は、社長の椅子にふん反り返って座り、高笑いをしていた。
あの後、吉村カンパニーに健二郎から一通の手紙が届いた。
その内容は実に簡潔で、自分は社長にはなれない申し訳ない、という内容だった。
上役達は揉めに揉めたが、この状況を事前に想定していた淳美のテキパキとした采配を見て、淳美を社長とすることにしたのだ。
「オォー〜ホホホホッ!
オォー〜ホホホホッ!!
ダイアモンドがヘシ曲がっているところを見た時のように、笑いが止まりませんわ!!
オォー〜ホホホホッ!!」
「………フーー、いい加減うるさいぞ
その下品な笑い、止めてくれないか?」
「っ?!だ、誰っ!?」
社長室にいつの間にかいた一人の謎の侵入者は、無断で入って来たにも関わらず、我が物顔で煙草を蒸す。
「私は、美那海響子という者だ、今日は顔見せに来た」
「顔見せ…ですって?」
あまりにも堂々とした響子の態度に、やや困惑を覚える淳美。
「まぁ…な
今日付けでここは私の会社になったわけだからな…
部下となる者達に顔見せでも…とな」