………

「………なるほど、数に頼るのは無駄だと判断して、こちらには精鋭による狙撃で来ましたか…」

美柑の肩を手当しながら、事のあらましを聞いた匠がそう言う。

「なかなか手際が良い奴らだよ…
この次はどんな手で来るか…」

「「………」」

「ヒメ、所長は?
私に任せておけ…なんて言ったっきり、姿が見えないんだけど…」

「…知りませんです
キョーコの行動を完全に把握するのは…円周率の終わりを知るより不可能ですから…」

「………そっか」

「………まぁ、とりあえず今日はもう襲って来ないでしょうが…
今日は全員、吉村君のお宅にお邪魔しましょう…
あそこなら、いくらなんでも問答無用でドンパチ…なんてことはないでしょうから…
吉村君、よろしいですか?」

「………」

「吉村君?」

「へ?あ、はい
そうしましょう…」

「??………」

リムジンに乗り込む5人、豪華で巨大な吉村邸を目指し、車は夜道を走る。