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劉の道場に帰って来た亮を迎えたのは、意外に元気な貫だった。
「お疲れ様です
大塚さん」
「おうよ」
貫は勝敗等聞かない、亮が負ける等、有り得ないからだ。
「なんかわりかし元気そうだが…身体の方はどうだ?」
「外れてた関節は、劉さんが全て入れてくれました
すんごい骨がボキボキ鳴って焦りましたよ!
右腕は…折れてましたからね、流石に当分は動かせそうにありませんね…」
「そうか…
なぁ、堀田………」
「依頼
もう完了ですよね?」
「へ?あ、ああ」
「僕、せっかく来たんで観光して行きたいんですけど…いいですか?」
「………」
「なんか、美味いアヒルの皮が食えるトコ、あそこ行きましょうよ、ね!」
「あ、あぁ」
貫が怪我したことに責任を感じている亮を案じてか…貫は努めて明るく振る舞う。
「実はもう、出掛ける準備はできてるんですよ
行きましょう、所長にお土産も買わなきゃいけませんし、ね?」
「そう…だな、行くか!」
元気よく旅立つ二人。
「あ………」
「?どうしました?」
「いや、燕がな、飛んでたから」
「燕なんて、そう珍しくないでしょう?」
「ああ、そうなんだが…なんか気になってな
なんでだろ…気持ち良さそうに飛んでるから、かな?」
青い空を飛び交う燕達を見上げながら、亮の心が、この青空のように晴れ渡っていく。
「ま、いいか
よし!中国食い倒れツアーと行くか!?」
「さんせー!!」
TO BE NEXT →『ハーブティーを飲みながら…』