あの後は聞くまでもない。


放課後に職員室に呼ばれ、長々と説教を受け、スカート丈とか普段の行動とか、色々注意された。


正直、ずげーウザイ。


私の前から消えればいいとまで思った。


長々とした説教を右で聞いては左で流してを繰り返し、適当に「はい」と答えていた。


そんな説教も終わり、コーヒーの匂いが充満している職員室から早く抜け出したかった私は、足早に職員室を後にした。


「ふぅ~・・・長すぎ。」


軽く独り言を言って、家に帰ろうとしたその時。



アイツはぬるい風とともに窓の外から私の目の前に現れた。


「よ!」


まあ、何てのんきな。あんたのせいで私はこんなに説教を受けたというのに。

そんな嫌味が顔に出てしまったのか、アイツは私の顔をジーっと見つめ、眉間にしわを寄せていた。

「な、何?」

私が冷静を装って、言葉を発したら、アイツの表情は少し緩んだと思いきや、すぐに笑い出した。

何が何だかわからなく、ただ呆然と見てることしか出来ない私。


「まじ、咲希可愛いんですけどー(笑)」

「は?私なんもしてないし」


私のことで笑っていると気づき、少し苛立つ。でも少し、恥ずかしさも残る。多分、今の私の顔・・・りんごみたいに真っ赤だと思う。

そんな顔を見られたくなくて自然と下を向いた。


でもアイツは何でもお見通しみたい。