「何・・・アイツ」
口から勝手に漏れた言葉。
何なの。アイツってなんなの?
確かに、好きに理由なんていらないし、過ごした時間なんかも関係ないかもしれない。
でも。
あたしには知らない人と付き合う勇気なんてないもの。
そんなことを思いながら、授業をサボってしまったことも忘れて、廊下にボーっとしながら出た私。
そんな私の肩に誰かが触れた気がした。
でも私は、風が当たっただけだと思い込み、再び、廊下を歩き始めた。
でも、気のせいではなかったみたい。確かに、トントンと私の肩に触れる何かがある。
恐る恐る後ろを振り向くと・・・。
そこには、1番会いたくない人物がいた。
「げっ・・・」
「水島、ちょっと職員室に来なさい」
あぁ~。
アイツのせいで見つかっちゃった。