ん?ちょっと待って・・・。

あってまだ5分くらいしか経ってませんよね?

「あの~・・・冗談ですよね?」

なぜかさっきまで強気だった自分はどこにもいない。急にかしこまって、敬語になってしまった。
隣では、落ちてきた男に気があるらしい悠が唖然とした表情でこっちのやりとりを見つめている。


返事を返さない私にもう一回男が・・・。

「だ~か~ら!俺と付き合わない?」


“俺と付き合わない?”

何ヶ月ぶりだろう。
告白されたのなんて。

私は、まだ名前も知らない男の告白に戸惑って、どう答えを返したらいいかわからない。

隣の悠も私と同じ表情をしている。


「何!?俺じゃ不満?」

「そ、そーじゃなくて・・・な、名前とか・・・知らないし・・・」

「ん?あぁ、言ってなかった!佐藤優太!よろしくな」

「よ、よろしく・・・」

やっとの思いで名前を聞けた私。でも、まだ名前しか知らない。

名前だけで告白の返事ってしていいもの?

一人で困惑していると・・・

「で?おまえの名前は?」

「へ!?あ、水島咲希です・・・」

「咲希?おっけ~★今度から咲希って呼ぶわあ!」

な、なんて軽い・・・。やっぱ断った方がいいのかな・・・。


散々考えて出した結果・・・。

「すいません!あたし他に好きな人いるので!」


そう言ってその場を切り抜けた私はすぐに授業中の廊下に猛ダッシュで逃げた。