「・・・いってぇ~...」
私の上に落ちてきたものは、むくっと急に起き上がった。
頭を痛そうにしている。
そのものは私の顔を見るなり・・・とんでもないことを言った。
「おまえ、ドMだろ!」
・・・はい?
「何言ってんの?てか誰?」
私は平然を装って、問う。そんな私の問いかけにそのものは答えずに「だからおまえドMだろ?」って。
私も、もう我慢の限界なんですけど。
助けを求めて隣の悠を見ると・・・。
何だか悠の様子がおかしい。
なんて表現すれば良いかな・・・。
表現・・・。
しいていうなら、漫画に出てくる目をハートにしたやつ?
この表情は・・・まさか・・・。
「ねぇ・・・咲希?・・・この人かっこよくない?」
やっぱり・・・。
悠はすぐ一目ぼれをするタイプ。結局長続きはしないんだけど。
「どこがカッコイイの?こんなんただの馬鹿人間にしか見えない」
「馬鹿人間ってなんだ!てかおまえ何年?」
「1年ですけど。」
「おぉ!したら俺と一緒かあ!俺2-Cだから」
2-C・・・。
隣のクラス!?
「おまえどこ?」
「2-D」
ちょっと待って・・・。なぜコイツは軽々しくタメで話してくる・・・。
疑問に感じながらもコイツとの会話を続けていると・・・。
「彼氏は?」
「いない」
「いない暦?」
「9ヶ月」
「結構、長い間いないんだな」
「余計なお世話」
「俺と付き合わない?」
・・・。
はい?
今なんとおっしゃいました?この方。てかコイツ。