「は?」

グッと力を入れて睨んでくるNo.5。刃先が首に食い込む。生ぬるいものが、首筋を伝っていくのが分かった。


「調子に乗るな」

ヒリヒリする。


「痛っ…」

「お前に分かんのか。300年も一緒にいたやつが奪われんだぞ。必死になるに決まってんじゃねぇか」


そう言っているものの、表情は変わらない。無表情のままで、ほんとにそう思っているのかは分からなかったけど……

多分ほんとにそう思ってるんだろう。


力を入れている手を見ると、かすかに震えてて、怒っていることが読み取れた。


そんなNo.5の手が、ピタリと止まる。スッと鎌が首から離れていった。




「No.5、お前何やってんだ」

聞き慣れた、ハチの声。

No.5はハチに気づいたから鎌を離したんだ。やっぱり、ハチに嫌われたくないのかな


声のした方を見てみると、No.5を睨みつけるハチの姿があった。その手には大きな鎌が握られていた。


「何してんだって聞いてんだよ!!」