とりあえずリビングに行こうと、スリッパを履いて立ち上がった。


寒いし、眠いし、寂しいし、やっぱり一人でいてもいいことない。朝からこんなこと考えたくないのに。

リビングの中を見渡しても、やっぱりハチはいない。


まぁ、そのうち帰ってくるだろう、そう一人で無理矢理納得してコーヒーを入れる。


「はぁ……」


朝ご飯すら、食べる気がしない。あたしはハチがいなきゃ、こんなにもつまらない生活を過ごすんだ。

マグカップに入った暖かいコーヒーに、息を吹きかけると、いい匂いがした。少しだけ、落ち着く。


コトン、とマグカップを置いた瞬間

それと同時に



――――――――ガッシャーンっ!!!



窓の割れる音が響き渡り、ガラスが飛び散った。

デジャヴだ。


心臓がバクバクなって、手が震える。息がうまく出来ない。怖かった。


前にもあった、こんなこと。

あたし一人で、どうすればいいの…?


ゆっくりと割れた窓の方を見ると、そこにいたのはあたしが思っていた人はいなかった。