きっと、ずっと一緒にはいられないんだろう。ハチが一緒にいたいと思ってくれていても、所詮は死神と人間。

必ず、離れるときがくる。


あたしがそう思っていても、ハチは何も言わなかった。まるで、気づいていないかのように。


「海、これからは病院禁止ね。何かあったら俺を頼って」


思わぬタイミングでの病院禁止令に、少しだけポカンとしてしまった。

「え、何それ。結構困るんだけどなー…あたし人間だし、風邪ぐらいは引くからね」


まぁでも、今は1人じゃないから風邪になっても大丈夫か。ハチが看病してくれるし。


「………風邪引くなよ」

無茶言うな。


「ま、とりあえず今は、風邪を治すことだけ考えてろよ」


ハチはおでこに貼っていた温くなった冷えピタを剥がしてゴミ箱に捨てた。

どうやら新しいのを貼るらしい。


おでこにかかっていた前髪をソッとよけられて、新品の冷えピタを貼られた。

冷たい…

でも、体温を下げてくれているようで、気持ちよかった。


「おやすみ、ハチ」

「おやすみ」


ハチの言葉を聞きながら、ゆっくり目を閉じた。