「そんな顔しないでよ…」

「…ごめん…」


その"ごめん"は、ずっと一緒にはいられないってことなのかな。

あんな夢、見なければ良かった。そんな事実、知りたくなかった。


「……ずっと一緒にいられるかは分かんねぇけど…」


あたしの感情を読みとったであろうハチが、ニコッと笑った。


「俺は誰に邪魔されようと、海と一緒にいるつもりだよ。」

熱があるせいで、かすかに涙腺が緩む。きっと熱のせい。弱っているからだ。


嬉しいから……じゃないっ!

熱のせい!


「嬉しいから、ってことにしとけばいいのに。素直じゃねぇなー………いだっ!」

ニヤニヤしながら言うハチのおでこを、ペチッと叩いた。

勝手に心読むからだ!


「もう読んでも口には出しません。」

「当たり前でしょ」


おでこを抑えて正座するハチが可愛くて、思わず吹き出してしまった。


「笑うなよ」

「笑うよ」