「っはぁー……」
No.5が飛び去ったあと、ハチはその場にしゃがみこんだ。
「ハチ、大丈夫…?」
額には汗。ずいぶん安心したような表情だった。
「まさかNo.5が来るとはね……あいつは絶対にないと思ってたのに」
だからあんなに焦ってたのか。きっと気配を感じたんだと思う。
「あいつは生まれたときからずっと一緒だったから…、分かってくれると思ったんだけどなー…」
だから、去り際に悲しそうな顔をしたんだ。
ハチにはそんなことをして欲しくなかったんじゃないかな?
「それにあいつさ、成績1位なんだ。だから俺よりも上の立場にいる。そんなやつがわざわざ俺のところに来るなんて……、おかしいだろ」
確かに、あたしを殺すだけなら、もっと成績の悪い死神が来てもいいはずだよね。
「…それだけ、ハチが強いってことなんじゃないの?」
単純に考えたら、そんな考えもあった。
成績2位のハチに勝てるのは、成績1位のNo.5しかいないと考えたんであれば、納得がつく。
「あ、そうかもな」
「そこは否定しとかないと、若干ナルシストっぽいから。」
間違いではないけどさ。