「そんなふうになってたら、きっと楽しかったんだろうな」
少し寂しそうな、悲しそうな………そんな表情でハチは微笑んだ。
「そうだね…」
あたしも、ハチが人間だったらよかったのに、って思った。
ずっと傍にいたい
この感情の正体を、あたしは知っている。
きっと、気づかない方がいい感情
いや、気づいてはいけない感情だ。
「もうすぐお別れだね」
もうすぐあたしの人生が終わりを告げる。
16年か…
早かったなー…
16年生きてきた中で、その半分以上は孤独だった。
それでも、楽しかった…――
「ハチ、あたしもう寝るね…」