ディスプレイには椎名美弥(シイナミヤ)と表示されている。

「もしもーし…」


椎名美弥というのは、高校に入って出来た友達で、あたしが唯一信用してる人。


『あ、海ー?』


北村海(キタムラウミ)

あたしの名前。


「うん、どうしたの?」

『いや、海来るの遅いなーって思って。もしかして今日サボるつもり?』

「んー……、サボらないよ。ちょっとだけ遅れて行くね。」


人が集まってくる中、横断歩道を渡ってその場を離れる。


朝から嫌なもん見たな…


『そっか。あ、先生来たから切るね、ばいばい。』

「うん、ばいばい。」


携帯を閉じて後ろへ振り向けば、案の定、人が増えている。


人が死んだっていうのに……


興味本位で近づいていくやつらばっかりなんだよね。

くだらない…