白い波が砂浜に寄ったり引いたりを繰り返している。
あの日、ハチと来たときよりも気温が高い。前ほど寒くなくて、薄着でも全然大丈夫だった。
ほんとに、ずっと一緒にはいられなかったなぁ…
何となく分かっていた。
多分、出逢ったときから。
何度
"ずっと一緒にいて"
そう言っても、ハチはけして
"うん"
とは言わなかった。
言わなかったんじゃない。
言えなかったんだよね?
分かっていたから。
いつかあたしの前から消えなくちゃならないことが、ずっと前から分かっていたから。
あたしだけ何も知らなかった。
きっとイブだって知ってたよね。
嫌だったよね、親友が人間のために消えなくちゃならないなんて。
目を閉じて記憶をたどっていく。
そこには笑ってるハチと、無愛想だけど、少し嬉しそうなイブ。