ハチにバレないように押し殺していた気持ちが、溢れ出す。きっと、バレてたんだろうけど。
すぐに言わなくてよかった。
ハチからあたしに対する気持ちは言っちゃいけないんだもんね。禁忌だもん。
人間と死神が恋をすること自体、あってはならないこと。ましてや気持ちが通じ合うなんて、絶対にダメだ。そんなこと。
………でも、最後にハチの気持ちを聞けてよかったと思っている。
不謹慎かもしれないけど、お互いに想い合っていたということが分かったとき、嬉しくて堪らなかった。
もっと早くから言えてれば、なんてたまに思うけど、きっとそれはハチを困らせるだけ。
広い平地に着いたとき、あたしの目の前には、あたしの住んでる場所も美弥の住んでる場所も、全ての景色が広がっていた。
ハチと来たときはもう少し暗かったから見える景色は少し違うけど、やっぱり綺麗だ。
「ここはー…、ハチと学校帰りに来た…」