「海…」
「何?」
「たまに、こっちに帰ってきなよ?海は寂しがり屋で泣き虫なんだからさ」
そんなこと言われたら、たまに、じゃなくて頻繁に帰ってきてしまうかもしれない。
「うん…」
あたしも美弥と同じ専門学校に行こうかと思った時期もあった。ここを離れて1人でやっていく自信がなかったから。
でも、そんな甘ったれたこと言ってちゃ、成長できないから。ハチにも笑われちゃうもんね。
「海はあたしの大事な家族だからね」
「ふふっ、美弥がお姉ちゃん?」
「当たりでしょっ」
頑張らなきゃ。これから。
美弥にも、ハチにも、イブにも、心配かけないように。あたしはもう1人でも頑張れるよって、安心させなきゃ。
これから、精一杯の恩返しをしなくちゃね。