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「海っ!」
ポツポツと降り続く雨が、あたしの体温を奪っていった。
あたしの名前を呼ぶ声が、小さく聞こえる。美弥の声だ。ほんとに来てくれたんだなぁ、って、なぜか冷静に考えていた。
「美弥…?」
「何やってんの…!」
差していた傘を放り投げて、あたしのとこに走ってくる。
「バカっ、心配したんだからね!」
ギュッと、抱き締められた。
美弥の体は暖かくて、あたしの肌に暖かさが染みる。また、涙が出た。
「ごめん…っ、ごめんね……!」
美弥1人に謝ってるわけじゃない。ハチにも、イブにも、申し訳ない気持ちでいっぱいで。
いくら謝っても足りないくらい。
「海……」
いつもはこんなに泣いたりしないあたしが泣いてることが不思議だったんだろう。美弥が心配そうな顔であたしを見る。
「ごめんなさいっ……ごめんなさい…!」
「海っ、もういいから…!」
何故か美弥の目からも涙が溢れていて、あたしの肩を濡らす。
あぁ、こんなに近くに、こんなにあたしを思ってくれてる人がいるじゃないか。涙まで流してくれて、抱き締めてくれて。