ハチと手を繋いで歩いていても、あたしを不思議そうに見る人はいない。
やっぱりハチが人間に見える姿になっているということだ。
「ほんとにみんなに見えてるんだね」
「当たり前じゃーん。ほら、俺って成績優秀だし?このくらいなら余裕だから」
これでもかってくらいのドヤ顔で、あたしを見たハチは、人間の男の子にしか見えない。
「でも何かさ、ハチ」
「ん?」
「多分手、透けてるよ」
あたしと繋いでる方の手を、何人かが凝視している。あたしにはよく分からないけど、多分、透けてるよね。
「おっと。ヤバい」
やっぱり、透けてたみたい。
「大変なんだね、人間に見える姿になるって」
長時間持たないんだっけ?