「あたしは嫌ー」
「俺も嫌ー」
ハチもイブも、座らなくたって浮いてられるくせに。無理矢理座らなくてもね。
「だから、海が俺の膝に乗ればいいじゃん。」
「やだよ、それならあたしがどける。いいもん、カーペット敷いてるから降りたって暖かいんだからっ」
ストン、とソファーから降りると、何故かハチまでソファーから降りた。何でよ、あたしがせっかく退けたのに。
「俺がこっちに座るから。海、ソファーに座ってもいいよ」
ほんとに何なのよ。
あれだけ退けないって言ってたのに。切り替わりの早い死神なんだから。
「ハチのバーカ」
そう言ってからソファーに再び座ると、あたしの下にはちょうどハチの頭がある。ふわふわの茶色い髪が、日に当たって光ってる。
「バカって言うなよ」
そんなハチの言葉を無視して、髪をいじる。