だんだんハッキリしてくる意識の中、ゆっくり目を開けると、そこは見慣れた場所だった。


「ん……?」

少し動けば、ベッドのスプリングがギシッと音を立てた。

あ、ここ、あたしの部屋だ。


「起きたか」

急に聞こえた声に驚いて飛び起きる。目を向けた先には、壁により掛かったイブがいた。


「イブっ!!」

「うるせぇな、お前。No.8寝てんだから静かにしろよ」


慌てて口を手で塞いで横を見ると、ベッドのすぐ近くの壁により掛かって寝るハチがいた。


「ハチ……」

傷だらけのハチ。

2人とも帰ってこれたんだ…


「とりあえず、手当てしろよ」

「あ、うん」

イブだって、いっぱい怪我してる。血だっていっぱい出てる。


こんなに怪我してるのに、どうして戻ってこられたんだろう。普通に過ごしてる2人を見ていると、昨日のことが嘘のように思えた。