ほんの少しだけ目線を上げて、歩いている死神を見る。やっぱり、人間と変わらない容姿だ。
ハチやイブと同様、ローブの下は人みたいだった。あたしが思ってた、"中身は骸骨"とは全く違う。
「その辺の死神と目合わせんなよ。お前が人間だって、気づくやつだっているんだ。」
そう言われて、慌てて下を向いた。危ない危ない、気づかれるところだった。
「今から、あそこに入る。地下にNo.8がいるはずだ。いいか、絶対バレんじゃねぇぞ。」
イブが指差した先には、ホラー映画にでも出てきそうな、不気味なお城があった。
お城と言うには、不気味すぎて。入ったら二度と出て来れないような気がした。
「お前は絶対声を出すな。俺の後ろを歩いてろよ。あと…中にいる死神と目が合ったら終わりだと思え」
真剣すぎるイブの表情。冷たいわけでも、怖がっているわけでもない、キリッとした表情だった。
その表情に、あたしの緊張感も一気に高まる。ここに、ハチが…
ゆっくり歩き出したイブの後ろを、少し早歩きで追いかける。周りから見たら、変な光景だろう。