恥ずかしさで顔を染めている私を沖田さんは「ふふっ」っと笑った。
「そんな可愛らしい反応珍しいですね」
この人は私をどうしたいんだ…。
「いつもぶすーっと顔をしかめて…っと言うより無表情で、怖いですよ?」
「は、い…」
そう言われましても…
どうしろというんですか…。
「まぁ、無理にとは言いませんがもう少し表情を柔らかくしましょうよ!桜さんは絶対笑ったほうが可愛いですもん!!」
ばんっ!と机に手をのせ体を乗り出させて言ってくる沖田さん。
「はい…」
ち、近いですよ…。
「あ、すみません。ついつい身をのりだしてしまいました」
えへへ…と頭の後ろを軽く掻きながら座りなおす。
ふ~…沖田さんといると心臓に悪いな。
「さ、食べちゃいましょうか!」
再び食べ始めると…
どこからか「お、」っと言う声が聞こえてきた。
「お前ら~!やっと見つけた!!」
「あ、原田さん」
声のした方に目を向ければ原田さんが暖簾を潜り、こちらに手を振りながら近づいてくる姿が見えた。
「あ~ぁ、もう見つかっちゃいましたか~」
「ずるいぞ!お前らだけ食って!あ、俺に団子を一皿」
原田さんはちょうど通りかかったお店の人に注文をして私の隣に腰を下ろす。