今は高校生になって
初めての体育の授業。
私の通ってる学校は規則が
山のようにある…
そして体育の授業は軍隊並み。
『今度から五分前には集合!』
どうやらチャイムが始まると
同時に準備体操をするらしい。
ほんと、選ぶ学校間違えたよ…
『花恋、昼休み入部届け
水無月先生の所持っていこ!』
『了解!んじゃ昼休みね』
今日は幼なじみの里沙と
バレー部に入部届けを
持っていくことになってる。
バレー部っても
マネージャーなんだけど…
『ねぇ、バレー部の先生
かっこいいらしいよ』
高校に入って出来た友達の麗。
『へぇ~水無月先生の顔
まだ見たことないんだ~』
『まじで!まぁ見たら一瞬で
わかるよ、かっこいいから』
ふーん。そんなにかっこいい
先生いたっけ?
『花恋、行くよ』
『はいはーい』
どんな先生なんだろう…
恐いかなぁ?優しいかな?
『あ!水無月先生』
『おう、どーした?』
げ!?こいつ…
体育で叫んでたやつじゃん!!
まぁよく見れば確かに
大人な感じで顔だって
かっこいいけどさぁ…
『お前も入部届けか?』
『ぇ、あ、はい!』
『んじゃ二人とも今日から
部活来いな』
『『はい、分かりました』』
なんか部活もキツそう…
思った通り…
放課後は遅くまで部活。
休日は遠征。
長期休みは合宿。
休みを下さい!!!
と思い続けてはや二度目の冬。
『佐藤!コーヒーいれて』
『はーい、砂糖入ります?』
『うん、一杯入れて』
『はーい』
なんで私がコーヒーなんか
入れなくちゃならないの。
ほんと、人使いがあらい
『お前、進路決めてんの?』
『いや、迷ってます』
『そうか…あんまり遊ぶ
ばかりするなよ』
イヤイヤ、休みないじゃん…
『休みがないから遊べませんよ』
『は!?俺はチームのた…
『コーヒーできましたよ』』
『先生、今度の試合どっちが
ベンチ入るんですか?』
『ぁあ~どっちでもいいから
二人で決めろ』
もうすぐ大会がある。
試合の時にはマネージャーは
一人しかベンチに入れない。
『里沙入る?』
『どっちでもいいけど…』
『どーしょう…ジャンケン?』
『じゃ佐藤入れ』
ぇ?
『んじゃ花恋入って!
私上で応援頑張るから』
『ぁ、うん』
最近指名率が多いのは気のせい?
今は昼休み。
『ねぇ花恋ちゃん、水無月
先生って彼女いるの?』
『バレー部のマネージャー
っていいなぁ~水無月先生
とお泊まりできるじゃん!』
『ぅ、うん。』
先生と接する機会が多いから
先生のファンの子によく羨ま
しがられる。
最初は
はぁ?あんな自己中
どこがいいわけ!?
とか思ったりもしたけど
最近、嫌でもない。
退屈な授業を終えて放課後。
キュッキュッ
体育館にシューズの音と
ボールのつく音、部員の
声がが響く。
私はこの音が大好き。
『花恋ちゃん、タイムお願い』
『三分でいい?』
『うん、よろしく』
キャプテンの将くんを先頭に
アップのランニングが始まる。
うちのチームは県内でも
強い方でここ数年は
ベスト4に入る勢い。
先生が教官室から出てきた。
『『こんにちは』』
みんなが一斉に挨拶をする
因みに先生は県内で1、2
を争う強豪高出身で全国大会
にも出ていて結構有名な人。
だからバレー界の知り合いは
多いみたいで自慢話を聞かさ
れたりもする。
そのたびに
『へぇ~すごい』
と愛想を振りまきつつも
凄い人だったんだとも思う
そんな毎日充実していた私に 最悪な事態がおこる
毎日同じことの繰り返し。
ここ数日間学校に
行っていない
ずっと仲良くしてた麗と
喧嘩をしてから学校に
来るのが辛くなった。
なんで喧嘩になったか?
そんなの分からない…
被害妄想の激しい私は
まわりさえ敵に見えてくる…
『花恋ちゃん、最近体調
悪いみたいだけど大丈夫?』
時々みんなが話かけてくれる
けどどうせ他人事。
はやく家に帰りたい
今日も部活帰ろうかな…