「悩みなさそやな」
伊純はもはや苦笑いだ。
「でも哲っちゃん頑張ってたねー」
あたしも笑ってプリンを食べる。
めっちゃうまかった。
高級プリン。
噂だと校長がポケットマネーで買ってくれたという高級プリン。
プリンも食べ終わって、みんな帰り始めた。
「凛、帰るでー」
「はーい」
伊純に促されて、タオルやらスポーツドリンクやらをかばんにしまう。
「なあ、凛」
「ん?」
「まだ体力あるか?」
「え?なんで?」
伊純がいたずらそうにニヤリと笑った。
「チャリ置き場まで、競争や!」
いきなり、そんな事言い出した。