そこへ。
「俺らもまぜろ!!」
男バレ軍乱入。
「はぁ!?なんでやねん!」
伊純が突っ込むと、
「ボールの空気が抜けて練習にならんのだよ、伊純殿。」
と龍真がふざけた口調で答えた。
…あれ?
でも…空木がいない…。
「ねぇ、龍真。空木は?」
龍真に聞いてみる。
「空木?さぁ…トイレじゃね??」
「そっかぁ」
別に怪我したとかじゃないんだ。
よかった。
――この時から既に。
歯車は狂いはじめる。
ほんとはトイレなんかじゃなくて…
きっとあの子のクラスの試合見に行ってたんだろうな、なんてね。
後からあんな事実を知ることになるなんて、このときはまだ想像もしなかった。