―――…あの日の記憶が。




『…ちぇ、1番じゃなかった』



誰もいない1年2組に響いた少し低い声。






『おはよ』





君はそう言った。





『…おはよ』




俯きがちに、消えそうな声で言ったあたし。






…桜の風が吹く入学式。






―――…まさか。




まさか、あの日に。




あの日に…戻れたんだろうか。