…キーンコーンカーンコーン…



意識の遠くで聞き慣れたチャイム音が響く。



優しい桜の香を乗せた風が、あたしの頬を撫でた。



ゆっくりと戻る意識の中で、声が聞こえた。




聞こえた。










「…ちぇ、1番じゃなかった」













――――ドクン…





『…ちぇ、1番じゃなかった』






よみがえる記憶。



まだはっきりと脳裏に焼き付いている台詞。





――…まさかと、思った。