「あ…」

転校で忙しかったから?

だからお祝いしてくれなかっただけなの?

本当は…誕生日覚えててくれたのかな。


だって前の世界でも、1年2年のときはケーキ食べた気がする。


そっか…

すれ違いだったんだ。


今からなら遅くない。

時間は待ってくれない。


そうだ。


できること、やっていこう。



あたしは受話器を手に取った。

父のケータイの番号を入力していく。

まだ家をでたばっかり。

仕事場にはついていないはず。

ケータイ出てくれるはず…!


プルルル、プルルル、


無機質なコール音が耳に響く。