「あっ空木!!そういやおまっ…、昨日!!」


…伊純は昨日体育館で見た光景を思い出したらしく、興奮気味に空木に話しかけた。

「昨日?」


何も知らない空木はきょとんとして伊純を見る。


「一緒にいたやろ、5組の高山双葉ちゃんと!」


…高山双葉。

空木の彼女……。


「…何、見てたの?」

空木は意外にも冷静に答える。


「つき合っとったんか!?」


…つき合ってたの?


前の世界でも…

あたしが知らないだけだったの?

彼女いる?って聞いたこともあった。

でも彼は決まって笑いながら「いねーよ」って答えてた。