「あ、空木やで」

「え…」


反射的に体がびくついてしまう。


伊純が指さした方を見ると、教室のドアから龍真と登校してきた空木が入ってきた。

「空木、龍真、おはよーさん!」

「おはよ伊純。今日も朝から元気だなお前は」


くわ~と大きなあくびをしながら眠たそうに言葉を交わす龍真。


その隣で空木も笑っている。


…ちくん。


なんだか、心臓が痛いみたい。