僕は車を降りる前に、 どうしても聞いておきたいことがあった。 「どうした一軌?ここでいいんだろ?」 「ちょっと二人に聞いて欲しいことがあるんだ」 「なんだよ」 「詩野の病気のことなんだけど…」 前に座る二人は、こちらを振り返らずに、 次の僕の言葉を待っている様子だった。 それから僕は、夕方に起きたことを話した。 「で、どうなの大輔?」 僕は恐る恐る尋ねた。 .