やっぱり詩野はどこか変な子だった。
でもそんな詩野が、
僕ら四人をいつもの楽しい雰囲気に戻してくれる。
そのあとも車の中で、
僕らの笑い声が絶えることはなく、気が付けば外は見慣れた街並みに変わっていた。
「ごめんね、こんなとこまで送ってもらっちゃって」
「いいっていいって」
「今日はありがとう。楽しかったわ。それじゃまたね」
僕らは最初に詩野を降ろした。
車が見えなくなるまで手を振る詩野に、
僕らも手を振って応えた。
「次は一軌の家だな」
朝から運転していた浩二が、疲れ気味に言った。
「いいよ。僕はこの辺で」
「気にすんなって」
「浩二、疲れてるだろ?ここからなら歩いて帰れるから」
「そう?」
「うん」
「じゃあお言葉に甘えて」
そう言って浩二は大通りの脇に車を停めた。
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